ガットなViolino♪

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なぜ、音程が決まらないのか?

以下は、勿論、弦楽器でのイントネーションの話です。

(特に、先日のRGEでの練習で、『音程』を無視できない状態でしたので。。。(^_^;))

 

 

人によって、その理由はいろいろあると思います。

ひとつは『耳』で聞き分ける能力の開発ができていない。
ひとつは『耳』だけに頼っている。
ひとつは『音程は左手(指先)だけでとるもの。』と思い込んでいる。


それ以外に、
特にヴァイオリンなどの弦楽器は、ピタゴラスの楽器と言われるくらい、
純正5度を綺麗に取る必要があります。
そういうことを知らないで弦楽器を弾いている可能性が高い。

自分の音程を確立させるためには、
単に耳で聴く、左手の指先をその場所に置く、だけではなく、
もっと肌身で感じ取るだとか、いろいろな感覚が必要ですし、
むしろ、そういう感覚が出てきたときには、必ず、音程が取れるようになってきます。

勿論、それだけではなく、それ以外のテクニックも向上します。

すべては繋がっているからです。

左手、(左)指先弦に触れる微妙な感覚を感じ取っているか?
右手、弓の毛先の状態を(右)人差し指で感じ取っているか?
音、響きを耳だけで聴いていないか?

常に、自分に問いかける必要があります。

自分に問いかけをしながら個人練習を行っているのか?

少なくとも、個人練習の中で、自分なりに『経験』を増やすことは、
自分の(少し前だとしても)過去と現在を比べることができます。
すると、(次に弾くちょっとだけ)未来を予測することができる。

これらは、そう難しいことではなく、少し意識を高いところに持っていき、集中し、何度も繰り返すことで、自分の中の、過去、現在、未来を比べることができ、それによって、分析、予測することもできます。

大抵、やさしい音階など練習しようと思うと、
たとえば、開放弦のAから、順番に(ヴァイオリンの場合)1指、2指…と、ラ、シ、♯ド、レ…と言う具合に、下から順番に取っていきます。

当たり前と言えば、当たり前(笑)

でも、自分の音程が確立されていない人にとっては、これすら正確に取るのは難しいものです。

基本的に、調弦が完璧にできているものとして(^_^;)
開放弦を弾いたら、完全4度上の幹音(A線だとレの音)、や完全5度上の幹音(A線だとミの音)を、指を押さえて取ります。

下から順番に取るというのは、指を広げなくて良いし、(特にヴァイオリンやヴィオラの場合)適当に取ってしまいがちです。

しかし、完全4度上、完全5度上というのは、たとえば1stポジションの3指、4指なので、少々、構えて取る必要があります。

最初に、これを取るのがポイントで、これを、いきなり各弦で弾きます。
左腕の使い方が上手くいっている人は、そのままで各弦の音を正確に取ることができます。

『Violin体感トレーニングBook』にも、このトレーニングについては書いてありますが、説明がないので、レッスンを受けていない人はピンと来ないかもしれませんね(^_^;)


実際の音程…たとえば、メロディはピタゴラスで、ハーモニーは純正律と良く言われます。
とりあえず、基本的に、純正律ピタゴラス音律、平均律は、どこがどう違っているのか?くらいは知っておくべきですよね。

そうでないと、比べようがないですし。

それくらいの知識が備わっていれば良いと思います。
あとは、自分の触覚(感性)を磨くのみ。

これ(感性、感覚)が自分にはないとか、わからないとか、できないとか…思い込んでいる人が多い。

元々、人間には備わっているものだと思うので、無いものを作るというよりも、埋まっていて出てこない『芽』を出してあげる作業が必要なのだと思います。(私自身の経験からも言えます。)

これらのことは、別に、RGEのメンバーにだけあてはまることではなく、たとえば、この間の日曜日、YさんやUさんのレッスンの時にも、丁度、音程の問題に遭遇しました(笑)

まさに、Yさんには、そのレッスン時間の中で、経験を積んでいただき、最後には、自分の音程がよく分かったと思います(^_^)

Uさんの場合は、同じ音程といっても、ポジションチェンジの問題を挟んでいたので、ポジションの移り変わりをどう捉えて音程を取るか、をやっていただきました。

考え方が換われば、何のことはなく、それまで飛びついて取っていた音程も、ウソのように決まって取れるようになりました。

『音』というのは、その人のすべてが、その1つに凝縮されているものですよね。
だから、音を出した瞬間に、(すべてがわかるわけではありませんが。。。)
どれくらいの意識の高さで音をだしているのかがわかります。

皆が同じ音程、同じ音色で出せれば良いのではなく、自分の音程、音色等、確立された音を持ちながら、アンサンブルするときには、それぞれがフレキシブルなテクニックを用いて、『1』を創り上げることができるというのが理想だと思います。